自爆システム「アポトーシス」を発令せよ!

ミトコンドリアから発せられる命令の中には「アポトーシス」とよばれるものがあります。

これは遺伝子に組み込まれた細胞の自滅システムのことです。

「自滅」やら「自爆」やらなにかしら怖い言葉が出ていますが、
このアポトーシスのシステムは不要な細胞を取り除いたり、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺の事をさしますので、
たとえば、細胞がウィルスに感染した時
などにはその効力が発揮されます。

ヒトにとって有害な「ウィルス」に感染した細胞が体内にそのまま蓄積されていくとどうなるか?
これはみなさん御想像通り最終的には生命の危機にまで陥る事があるでしょう。

そういった事を防ぐため、感染した細胞を「アポトーシス」によりその細胞自体を自滅させるのです。
こうやって、感染を体に広がっていく事を制御しているのも「ミトコンドリア」のおかげなんですね。

『アポトーシスは不要なものを削除する「お掃除機能」』

わかりやすく例えるなら、お掃除が嫌いな人の部屋や家などは、
賞味期限の切れた食品が散らばっていたり、食べ残しのカスが散乱していたり・・・
そしてそれをそのまま放置しておくとどうなるか・・

自分の生活スペースがなくなるばかりか、不衛生になって、
そのゴミが原因で新たな問題も発生します。

同じように、体の中がそういったウィルスや、細菌で汚染、感染され、
それを全く放置していたらどうなるのか。
いわずとしれた病気になったり、最終的には生命の危険にも及びます。

そう考えると、この「アポトーシス」の存在の大事さが多少なりとも
分かっていただけたのではないでしょうか。

余談ですが、細胞の死に方にはこの「アポトーシス」の他に
「ネクロ―シス」と呼ばれるものもあります。

ネクロ―シスは宿主本人が自覚できるような「痛み」を伴います。
それはケガをした時に患部が腫れあがったり、熱をもったり、火傷などの痛みもそうです。

反面「アポトーシス」はもともと遺伝子に組み込まれた細胞の「自然な死に方」のため、
宿主本人に「痛み」の自覚がないのも、大きな違いの特徴といったところでしょうか。



mitochondrion increase

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