もう少し難しい学術的なお話に触れていきましょう。
ミトコンドリアは実は独自のDNAを持っていて、これは細胞核と違い輪ゴムのような形をしています。
そして一部のタンパク質を自前で合成し、まるで細胞内で細菌であるかのように振る舞っているのです。
これだけ聞くと、本当に自分の意思で生きているように感じますね。
しかし、事実それは否定できないのです。
ミトコンドリアは、細胞内でこのようにエネルギーの合成をおこなっています。
簡単に言えば、酸素をつかって炭水化物を分解し、そのエネルギーを細胞内で使える
ATPという形にしているということ。
ミトコンドリアは細胞内で細菌であるかのように先ほど書きましたが、
実際、TOPページにも書いたように昔真核細胞生物に入り込んだある種の
細菌がその先祖であると考えられています。
ミトコンドリアの祖先であるその細菌は、現在のその機能と同じく、
酸素を使ってエネルギーを作り出していました。
この方法は、酸素を使わない場合に比べ、
20倍近い効率でエネルギーを作り出すことが出来ます。
その細菌(αプロテオ細菌とよばれている)を酸素を
つかうことの出来ない真核細胞生物が
細胞質の中に取り込み、共生をはじめたのです。
その細菌(αプロテオ細菌)を取り込んだ真核細胞生物、
つまり宿主細胞はその共生を始めた初期に
そのミトコンドリアの先祖から、DNAの大部分を奪い、
自らの核内DNAへと情報をうつしかえたようです。
そしてミトコンドリアがふたたび外へと出て生きてゆくことの出来ないようにしたのです。
『ミトコンドリアの祖先は実は細菌だった』